2024年12月にまんまる薬局に入社した原 明日香さん。彼女はイスラム教徒としてヒジャブを着用しながら働く新卒の薬剤師です。新卒採用時にはヒジャブを理由に内定を得られず、ラーメン屋でのアルバイトを経て、まんまる薬局に入社しました。
今回は、彼女のこれまでの歩みや、まんまる薬局での経験、そしてこれからのキャリアについてお話を伺いました!
ヒジャブと就職活動の間にあった壁
ーー新卒採用時にヒジャブを理由に内定を得られなかったと伺いましたが、その時どのようなお気持ちでしたか?また、その経験が今の働き方にどのように影響していますか?

原さん:最初はグローバルな視点が評価されると思っていましたが、現実はそう甘くありませんでした(笑)
日本の就活では宗教に対する理解が十分でない部分もあり、壁を感じることが多かったです。
しかし、まんまる薬局と出会ったことで日本にも宗教に対して理解のある方々がたくさんいると気づき、考え方を前向きに変えることができました。
まんまる薬局を選んだ理由
ーーまんまる薬局に入社を決めた理由を教えてください。どのような点に魅力を感じましたか?

原さん:社長の人柄ですね。社長と直接働くわけではありませんが、「この方が採用している会社なら、きっと素敵な人たちが集まる場所だろう」と確信しました。
ラーメン屋での経験が薬剤師業務に活かされる
ーーラーメン屋でのアルバイトを経て薬剤師になられたとのことですが、その期間で学んだことや、今の仕事に活かされていることはありますか?
原さん:飲食店で回転率が高い時間帯があって、そのときに早口で説明してしまうことがありました。その結果、Googleレビューで「説明が早口で分かりにくい」と書かれていて、常に工夫して相手に伝わるように話すことを心がけていました。

訪問業務でも患者さんに合わせて言葉を選び、分かりやすく伝えることを意識していて、ラーメン屋での経験がいまに活かされているなと感じてます。
まんまる薬局でのエピソード
ーーまんまる薬局に入社してからまだ2ヶ月ですが、「ここで働いてよかった」と感じたエピソードがあれば教えてください。
原さん:マナーモードを設定し忘れてしまい、お祈りの時間を知らせるアラームの音が鳴ってしまったとき、怒られるかと思いました。そのとき、ペアの先輩が「お祈り?今やって大丈夫だよ!」と言ってくれて、そのときにまんまる薬局のチームの温かさを実感しました。

ーーまんまる薬局では、自身が信仰することをどの部分で受け入れてくれていると感じますか?
原さん:訪問に回るようになって、そのときのペアの方から「お祈りの場所も探しておくね!」と言ってもらえたことです。
個人の在宅訪問は車移動が基本なので、ドライバーはトイレがある公園やコンビニの位置を把握している必要があります。それに習って「お祈りできる場所マスターになるね!」と続けて言ってくれて温かいなと感じました。
まんまる薬局の社内マニュアルに書かれている訳でもないのに、自然にそのようなことを言い出せるメンバーばかりで受け入れてくれているなと感じています。ちょっと話が逸れちゃいますが、そのようなことを言い出しやすい雰囲気を作っているまんまる薬局という組織がすごいなって思います。薬局では見たことがありません。
ほかに自分がまんまる薬局に受け入れられていると強く感じたことは、ヒジャブで覆ってたりすると会社としての写真を撮るときに、写してしまうと宗教を認めているというイメージが付いてしまうことから、ヒジャブを覆っている知り合いたちは「写らないで」と言われることが多かったそうなんです。
もちろん私もまんまる薬局に入ってからも身構えていました。逆にまんまる薬局では「原ちゃん!写真撮るからこっち来て!」と声を掛けてくれて驚きました。
私のことをまず「人」として見てくれているんだなって安心もできました。
これから目指す薬剤師像
ーーこれからのキャリアにおいて、どのような薬剤師を目指していますか?また、そのために意識していることはありますか?
原さん:半年間、薬に触れていなかったので知識が抜けてしまってました。今は目の前の患者さんの病気や薬について日々調べるようにしています。
いずれ処方チェックや鑑査もできるようになりたいです。あるとき、同僚が「このインスリンの注射量だったら足りないですよね?」と聞いてくれたのですが、私は答えられませんでした。そのとき、自分にはまだまだ知識が必要だなと痛感しました。

経験がないと分からないことが多く、まんまる薬局の薬剤師のレベルの高さに驚いています。まずは、まんまる薬局にいる薬剤師の方々を目指していきたいです。
就活で悩むマイノリティーの方へメッセージ
ーー薬剤師を目指している、もしくは宗教や文化的背景が理由で就職活動に悩んでいる方に向けて、何かメッセージをいただけますか?
原さん:マイノリティーとして働くことには大変さがあります。でも、会社によって環境はさまざまです。
私はイスラム教というコミュニティを持ちながら、薬剤師としても活動しています。どちらかがうまくいかなくても、もう一方があると支えになります。
諦めずに就活を続けて、自分に合った職場を見つけてください。私は諦めずに続けたことで、まんまる薬局とめぐり逢いました。
インタビューさせていただいて…
原さんのこれまでの生き様から、文化や宗教の違いを超えて、自分の信念を貫きながら働くことの大切さをインタビュアーの私が教えていただきました。まんまる薬局が、多様性を尊重し、一人ひとりが輝ける職場であることを再認識できたインタビューとなりました。
いまから数ヶ月後の原さんへのインタビューが楽しみです✨️