まんまる薬局さんへ見学させていただきました!
今回は実際に見学させていただいた感想も踏まえて解説していきます。
- まんまる薬局は、どのような在宅に特化している薬局なのか
- 在宅に興味があるんだけど、他の在宅薬局と何が違うのか知りたい
- 薬局内の人間関係はもちろんのこと、患者さんとの関係も気になる
この記事を書いている僕は、新卒で大手調剤薬局に就職し、その時に在宅薬局も経験させていただきました。
在宅薬局で勤務した経験からも記事の信頼性担保に繋がると思います。
まんまる薬局はどういう在宅薬局なのか
まんまる薬局はどういう薬局なのか、どういう薬局を目指されている薬局なのかを紹介していきます。
地域の本物のかかりつけ薬局を目指している
株式会社hitotofromの公式ホームページのトップページに「人から人へ心を届ける」をミッションに患者さまが、住み慣れた環境で自分らしく過ごせるようお薬の面からサポートする在宅医療サービス「まんまる薬局」とあります。
見学させていただいた時にこれを感じる瞬間がありました。誰が薬局に入ってきても、変に身構えた雰囲気がなかったことです。
薬局業界に限った話ではなく、見かけない人が急に会社に入ってきたら気になってジロジロ見てしまうと思います。逆に、自分がはじめましての場所に伺うときってジロジロ見られることありますよね(笑)
良い意味でかしこまった雰囲気や身構えた雰囲気を感じなかったので、初めて見学させていただいた時からソファでリラックスしてしまったぐらいです。
処方箋を持っている患者さんや外部の方も他の薬局と比べて、入りやすいのではないかなと思います。
薬剤師–患者さんとして接しているのではなく、人(薬剤師)–人(患者さん)で接していることで生まれている雰囲気に感じました。地域のかかりつけ薬局を目指しているのではなく、地域の本物のかかりつけ薬局を目指しているという理念を掲げている意義が何となくわかった気がしました。
95%以上がおうち訪問薬剤サービス
まんまる薬局は外来の処方箋も受け付けていますが、95%以上がご自宅で療養されている患者さまへのおうち訪問サービスです。一人ひとりにあったオーダーメイドな服薬管理を実施してきた結果、95%になっていた印象を受けました。
もし、算定のためだけの必要最低限かつ必要最低人数による在宅訪問で効率を重視していたら、95%まで在宅特化しているまんまる薬局は成り立っていなかったのではないかなと感じたほどです。
数店舗ある薬局のうち、1店舗が在宅に特化している薬局はイメージがわきやすいですが、1店舗ある薬局のうち、在宅に特化している薬局が1店舗しかないところからも「人から人へ心を届ける在宅薬局、まんまる薬局」を目指している覚悟が垣間見えます。
見学中に印象に残っていることが、患者さん宅から戻られた新卒薬剤師の方が携えていたメモにお薬と全く関係のない「カップヌードルの好きな味」などが書かれていたことです。
一患者さんとして接する以前に、人と人として接されていて、ミッションをメンバーレベルの方でも体現されていて、まんまる薬局のミッション浸透度に驚きました。
薬学部ではビジネスの勉強は全くしませんし、薬局や病院で働いていてもミッションやバリューなどについて疎い方がほとんどです。にもかかわらず、浸透しているということは普段の話し合いからミッションやバリューについてのお話されているのではないかなと思いました。
自分らしさ×挑戦×チームな薬局
- 自分らしさ
- 挑戦
- チーム
それぞれの言葉を具体的に説明もしていただきました。
まず「自分らしさ」は、自宅で自分らしく過ごすことを当たり前に。地域をまるごと病棟を目指してという意味。
次に「挑戦」は、在宅医療に必ずしもスキルはいらない。あなたの想いが、みんなをつなぐ。
最後に「チーム」は、時代の変化にも恐れず立ち向かい常に進化する、そして変幻自在な日本一のチームへ!という意味を込めているそうです。
ここまで具体的に言語化されていれば、メンバーにまでミッションやバリューなどが浸透していても不思議じゃないですよね。
ほかの在宅薬局と比較した時のまんまる薬局の特徴
去年の末にリリースされたまんまる薬局の採用サイトと絡めて紹介していきます。
個人在宅に特化したサービス
Join hitotofrom内のCulture deckでも円グラフで表していますが、まんまる薬局の在宅における患者さん構成の内訳は約96.6%が個人宅の患者さんです。
個人宅の患者さんの割合が9割以上で、患者さんの数も1,000人以上なので、必然的に地域連携機関の数も3桁以上もあります。病院・診療所は118ヶ所、居宅介護支援事業では348ヶ所にも及びます。
この数からもネットワークのような網目状のつながりが想像できます。
これも「人と人」にこだわっているからこその数字なのかなと感じました。
また、在宅の中でも居宅に特化し、多職種との連携を意識されていることが数字からも知ることができました。
ボランチと薬剤師の二人体制
まんまる薬局では、ボランチ体制というのを世界初で採用していて、薬剤師とボランチの二人体制で訪問を行っています。
他の在宅薬局では薬剤師一人で訪問してるし、人件費もかかって二人で訪問するメリットあるのかなと正直思っていました。
ですが、理由を聞いて180度変わりました。
たくさんの理由を教えていただきましたが、今回は1つピックアップします。
ボランチと薬剤師の二人体制の理由の1つは「より多くの眼で患者さんの日常生活や外見、身体の使い方など微々たる変化を見逃さないようにするため」です。
繰り返しになりますが、「人から人へ心を届ける」というまんまる薬局のミッションがブレていないなぁと感じました。
生産性や効率性を考慮すると、一人でも出来なくはない業務に二人をかけるのは非合理な選択に思えます。
ですが、患者さんにとって最適なサービスを提供するために、多くの眼で患者さんの変化をキャッチアップするためと聞くと非合理に思えませんでした。
非合理に思わなかった理由はもう一つあります。患者さんの変化をキャッチアップする眼が多ければ多いほど良いという訳ではなく、人数が多いとかえって患者さんに緊張感を与えてしまうとも踏んでいて二人体制にしてる点です。
まんまる薬局はベンチャーという特性上、新しい制度はどんどん取り入れていきたい気持ちはありつつも、慎重に考え抜いている印象を受けました。
ICTを駆使したシームレスな連携
ICT(情報通信技術)とは、IT(情報技術)を拡張した用語であり、電話線やワイヤレス信号による通信とコンピュータ、そして主要な企業アプリケーション、ミドルウェア、ストレージ、視聴覚システムなどを統合し、ユーザーが情報をアクセス、保存、送信、操作できるようにする技術である。
Wikipediaより引用
ICT化にとことんチャレンジされている薬局だなと感じました。
Musubiといった電子薬歴を使っているのはもちろんのこと、ほとんどの薬局では使っていないであろうGoogleチャット、Slack、Trello、Notionなど多岐に渡るツールを使っていました。
新しいツールというのは、抵抗を示される人が多かったり、逆にツールに使われてしまいがちですが、使いこなされていました。
積極的にICTの良いとこ取りをすることで、多職種での連携をシームレスにでき、患者さんと向き合う時間を増やすことができていました。
生で見てぶっちゃけ人間関係はどうだったか?
実際に見学しに行かせていただいて感じたことを忌憚なく述べさせていただきます(笑)
誰が何の職種なのか分からなかった
白衣を着ている人が一人も居ませんでした。
世間的には「薬局=白衣=薬剤師」の印象が強いです。僕も薬学部に入るまではこの印象しかありませんでした。
さまざまな薬局のホームページを拝見すると、薬局によっては薬剤師が主人公かのように表現されているところもあります。
それが悪いとは思いませんが、まんまる薬局では一人も白衣を着ている人がいなかったので変な緊張感や変に薬剤師を持ち上げる感じもなく新鮮でした。
見学させていただいた時に僕がリラックスできた主な要因だったと思います。
白衣を着ている人がいないことで、誰がどの職種か良い意味でマスクされていてよかったです。
お局さんが居なかった
社歴や立場をつかってお局さん化している方がいなかったのが驚きました。
前職では5店舗の応援に行ったことがあるのですが、必ずどの店舗にもお局さんがいらっしゃいました。
お局さんのひとことによって新しい施策がボツになるケースや人間関係に溝ができてしまったケースを見てきたこともあって、働きやすそうでした。
やる気満々で大手調剤薬局に新卒で就職して最初に「お局さん」と接敵してメンタルをやられていた同期をたくさん見てきたので、まんまる薬局には若い芽を摘むような雰囲気がなかったのでフラットで良い雰囲気だなぁと感じました。
本当に居ないかどうかは脚を運んで見に行ってみてください。
- まんまる薬局は「地域の本物のかかりつけ薬局」を目指している
- 個人在宅に特化している在宅薬局
- ICTを駆使して患者さんと向き合う時間を増やしている
- ボランチと薬剤師の二人体制でのシナジー
- 職種や社歴、立場を問わずフラットな関係性
最後までお読みいただき、ありがとうございました。